略称現風研。民間に広く開かれた研究会として、 1976年9月、京都・法然院にて創立。桑原武夫(初代会長)、鶴見俊輔、多田道太郎(第二代会長)、橋本峰雄、井上俊、井上忠司、山本明らを中心に「ひろく現代(明治以降)風俗に関する理論的、歴史的研究」を目的に、日常生活の視点から現代風俗を観察・記録する市民研究団体として発足した。年間テーマを決め、年4、5回の研究例会及び数回の分科会を持ち、その成果は、年報『現代風俗』として毎年刊行されている。特集テーマの主たるものは、流行、地域、「もの」の自分史、旅行、暴力、「老いと若さ」、性、貧乏など。とりわけ、「風呂」「はきもの」「電話」をはじめとする生活・風俗の変化についての会員の「はがき報告」の集積が注目され、その一部は単行本となった。発足10年を機に、これまでの任意団体から社団法人設立となり、88年1月認可、再発足した。風俗こそ伝統と現代、その心と形を集約的に表現するもの、との視点から共同研究が持続されている。
(津金沢聰廣の解説:『大衆文化事典』弘文堂、1991に収録)