第21期・新風俗学教室(第3回)開催のお知らせ 2020/01/15
 今回は関東学院大学関内メディアセンター、14時30分の開催となります。ご注意ください。また、教室では報告者へのお礼を兼ねて懇親会を開いています。こちらも是非ともご参加ください。

【テーマ】
 非デジタルメディアによる多人数参加型ゲームの運営
 -メイルゲームにおける送り手の実践を中心に-
【要旨】
 現在、インターネットによる多人数参加型のゲームが人気を博している。これらのゲームが成立するためには、コンピューターによる情報処理が必要だと考えられている。
 しかし、ゲームの歴史を検討すると、インターネット普及以前の1980年代後半から90年代前半にも、デジタル技術を前提としないメディアを用いた多人数参加型のゲームが存在した。「ネットゲーム」や「メイルゲーム」(以下、メイルゲーム)と呼ばれたこの種のゲームは、手紙と機関紙を用いて、非コンピューターである人間によってプレイ内容が処理されていた。
 メイルゲームは、アナログ/デジタルゲームを相対化するような、多元的ゲーム史を記述する際に重要である。発表者はすでに、メイルゲームの概要と記述し、プレイヤー間のコミュニケーションや文化を分析した論文を上梓した(松井広志、2019、「メイルゲーム/ネットゲームのコミュニケーションと文化」『多元化するゲーム文化と社会』ニューゲームズオーダー)。
 しかし、メイルゲームについては、プレイヤー側が重要である一方で、数千人から1万人にもなる大人数のプレイを、コンピューターなしでどのように統御し、ゲームを成立させていたのかという、送り手側の実践もまた注目されるべきである。こうした問いについて、本報告では、最も多くの人数を集めたメイルゲームのうち『ネットゲーム90 蓬萊学園の冒険!』のグランドマスター(ゲームの運営統括者)であった新城カズマ氏へのインタビューに基づき考察していく。
 インタビューでは、史上初のメイルゲームである『ネットゲーム88』から『蓬莱学園』シリーズ、その後の展開も含めて、アナログメディアならではの「手作り」的な工夫が語られた。さらに、メイルゲームのアイデアには、当時普及しつつあったパソコン通信を前提に、来るべきインターネット社会の未来像を「予期」する要素が見られた。これらは、アナログ/デジタルメディアの関係を考えるにあたって、示唆的な知見である。

【報告者】松井広志

【司会】加藤裕康

【コーディネイター】神野由紀
【日時】2020年2月15日(土曜日)14時半~17時半

【会場】関東学院大学関内メディアセンター
 横浜市中区太田町2-23
 横浜メディア・ビジネスセンター8階
※当日はビルの正面入り口が閉まっています。夜間通用口をご利用ください。
 http://univ.kanto-gakuin.ac.jp/modules/media7/

【最寄り駅】
■みなとみらい線日本大通り駅1番出口より徒歩5分■みなとみらい線馬車道駅5番出口より徒歩5分■JR関内駅北口より徒歩5分■地下鉄関内駅1番出口より徒歩5分

【参加費】500円(学生100円)

 

 

第21期・新風俗学教室(第2回)開催のお知らせ 2019/10/16
「ゲームの風俗」第2回です。今回は大妻女子大学での開催となります。ご注意ください。
 また、教室では報告者へのお礼を兼ねて懇親会を開いています。こちらも是非ともご参加ください。懇親会は当日の飛び込み参加も可能ですが、予約の都合上、可能な限り事前にお知らせください。懇親会の参加を希望する方は、以下のアドレスにご連絡ください(FBのコメント欄ではなくメールしてください)。なお、新風俗学教室の参加申し込みは必要ありません。

【テーマ】
 現代日本における都市娯楽の変遷:
 クレーンゲームという娯楽の成立と現在状況を検討する

【要旨】
 クレーンゲームは1960年代から現在まで日本に存在し続ける娯楽機械の一種である。現在の都市の風景の中で、ぬいぐるみやフィギュアが溢れている、派手な色で光っているクレーンゲームとそこで遊んでいる人々が見られる。このような風景が形成されてきたのは、ゲームセンター側が客を引くために、路面から景品が見られるようにクレーンゲームを設置するようになったからである。
 本発表では、このような都市娯楽空間の形成にはどのようなバックグラウンドがあるのか、そしてクレーンゲームがメディアとしてどう作られ、どう利用されるのかとその特徴を検討する研究を紹介するつもりである。

【報告者】ボトス・ブノワ

【司会】神野由紀

【コーディネイター】中江桂子

【日時】2019年11月16日(土曜日)15時~18時

【会場】大妻女子大学千代田キャンパスG棟236室

【参加費】500円(学生100円)

 

 

第21期・新風俗学教室(第1回)開催のお知らせ 2019/08/28
 第21期の年間テーマは「ゲームの風俗」です。カードやボードゲームといったアナログゲーム、家庭用・業務用のデジタルゲームなどに関連するさまざまな風俗を取り上げていきます。
 また、今年度の試みとして年間テーマ以外の発表も受け付けます。これまで東京の会の年間テーマーと、ご自身の研究テーマが異なるため、なかなか発表する機会を得られなかった会員の方は、ぜひともこれを機会にご相談ください。会場では、報告希望者を随時受け付けています。
 新風俗学教室第1回は、ニューゲームズオーダーの沢田大樹さんが報告します。ニューゲームズオーダーは、海外ボードゲーム・カードゲームの輸入・翻訳および卸売を行い、近年はゲーム研究関連の本も出版している話題の会社です。その豊富な実務経験も踏まえながら、ボードゲームの歴史や昨今のボードゲーム人気の背景などを検討します。

【テーマ】「商環境の変化がユーロボードゲームの内容に与えた影響について」

【要旨】1950年代にアメリカで成立した商業ホビーゲーム・シーンは、「商品をゲーム作家による作品と位置付けプレイヤーによる批評の対象として取り扱う共同体」として定義できるものであり、従って草の根的な性格を持つ。これに対し、1970年代に始まり80年代に確立した西ドイツの商業ホビー・ボードゲームのシーンは、1800年代から続く旧来のボードゲーム出版産業が他国の商業ホビーゲーム・シーンと結びつくことで発生した折衷的なものである。本論では、この西ドイツのシーンから産み出され、後に「ユーロゲーム」と呼ばれるようになったボードゲームのいちジャンルの特徴が、ドイツの玩具産業の要請によって構成・維持されていたものであることを確認した上で、2000年代以降のインターネットの普及と小売流通構造の変化により、ジャンルとして成立する根拠が現在では失われていることを示す。

【報告者】沢田大樹

【司会】加藤裕康

【コーディネイター】神野由紀

【日時】2019年9月28日 15:00~18:00

【場所】明治大学駿河台キャンパスアカデミーコモン8階308G

【参加費】500円(学生100円)

【懇親会】懇親会にもご参加くださいますようお願いいたします。

 

 

新風俗学教室 第20期第5回 2007/07/16
【日時】2019年4月13日

【場所】明治大学駿河台キャンパス

【報告者】永井良和

【司会】中江桂子

【コーディネイター】加藤裕康

【テーマ】ダンサーたちの風貌~銀座のモガ・以前

【要旨】
 モダン都市を代表する風俗のひとつに、断髪洋装のダンサーがいます。東京の街頭で撮影されたモガのイメージは、新しい職業としてあらわれたダンサーたちにも重ねあわされ、ホールで踊っていた女性たちは、西洋風の着こなしや化粧で身を飾っていたと考えられています。しかし、それは、かぎられた写真から当時のイメージをふくらませてきた現代人の「錯覚」なのかもしれません。今回は、大正時代から昭和はじめのころまでのダンサーたちが、どういうファッションで、どのような髪形をしていたのか、そのあたりを点検したいと思います。あわせて、男女が抱きあって踊るという文化が、どのように商業化されていったのか、考えてみたいと思います。

【参加費】500円(学生100円)
※懇親会もぜひご参加ください。

 

 

新風俗学教室 第20期第2回 2007/07/16
日時 : 11月17日(土)15~18時

テーマ: 『新宿二丁目・ゲイタウン』の形成過程

発表者: 三橋順子さん

会場 : 明治大学駿河台校舎研究棟4階


【要旨】
 江戸時代の内藤新宿の「飯盛女」に始まり、大正末期〜昭和戦前期の「新 宿遊廓」を経て、戦後の「赤線 ・新宿」まで、長らく男と女の「性なる場」であった新宿二丁目は、1958年4月の「売春防止法」完全施行後、急速に衰退 ・空洞化する。そして、わずか10数年後の1960年代末〜70年代初には、男と男の「性なる場」である「二丁目・ゲイタウン」に変貌する。街ぐるみの性的指向の大転換は、新宿という「性なる街」の歴史地理の最大の謎だが、そのプロセスはまだ十分に解明されていない。

 この報告では「今、どこまでわかっているのか」を、お話してみたい。

 


■過去ログ

 

 

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