第17期・新風俗学教室(第7回)開催のお知らせ 2007/07/16
次回の新風俗学教室は、高橋聡太さんが、ポピュラー音楽史を捉え直します。


【テーマ】来日公演のライヴ文化史――主権回復後からビートルズまで

【報告者】高橋聡太(東京芸術大学大学院)

【司会】神野由紀

【コーディネイター】中江桂子

【報告要旨】
 ハッピを着せられたビートルズ一行が飛行機のタラップから降りてくる光景は、日本の音楽史上に画期をなす瞬間として記憶されている。「ポピュラー音楽」の発信源を英語圏に限定し、日本を含む他の地域をその受け皿とみなす単線的な枠組は、すでに多くの先行研究により批判されているが、欧米諸国の動向を文化的潮流の最先端とみなす傾向は今なお強い。それゆえに、「本場」の音楽を「ナマで」体験できる外来のミュージシャンによる公演は、日本でも特別視され続けてきた。1966年に開催されたビートルズの武道館公演はその最たる事例だろう。

 しかし、来日公演を神聖視する向きがある一方で、その歴史的諸相はしばしば捨象されてきた。これは日本のみならず、名盤とされるヒット曲やアルバムと、その奏者や歌手を中心に編まれてきた20世紀の大衆音楽史全般に共通する死角である。レコード音楽の普及期に「recorded」の対義を与えられて生成した「live」の場は、ややもすれば有史以来つづく音楽の普遍的かつ本質的な様態として単純化されてしまい、そこに動員される技術の変化や、国際的な巡演がもたらすネガティヴな側面も含めた多義的影響は、ポピュラー音楽研究の領野においても近年になるまで活発な議論は展開されなかった。

 そこで本報告では、航空網の発達によりミュージシャンの国際的な移動が急増した、1950年代初頭から1960年代中ごろ(元号史観に置き換えれば昭和30年前後)に日本を訪れた外来のミュージシャンによる一般公演に着目し、その巡演ルート・公演数・会場の布置・実演の形式・料金体系・音響技術・放送媒体との提携といった諸要素の推移を、当時の新聞と雑誌を史料とした文献調査によって整理する。ライヴ史観から20世紀中葉の音楽文化を俯瞰することにより、実演の場におけるオーディエンス像の変容、レコード文化とライヴ文化を相互補完的に捉えるメディア史研究や、画一的なアメリカナイゼーション論では捉えきれない環太平洋的な大衆文化の循環など、より広範な諸問題につながる議論を惹起したい。


【日時】 2015年1月31日(土曜日)午後3時~6時

【会場】成蹊大学サテライトオフィス(国際ビルに移転しました。ご注意ください)
http://office.mec.co.jp/lineup/bldg_detail?bd=525

【場所】東京都千代田区丸の内3-3-1 国際ビル1階

【最寄り駅】JR東京駅丸の内口(徒歩約5分)、同有楽町駅北口(徒歩約3分)、東京メトロ丸の内線東京駅(徒歩約5分)、同有楽町線有楽町駅A1番出口(徒歩約1分)、同千代田線二重橋駅1番出口(徒歩約1分)、同日比谷線日比谷駅A3番出口(徒歩約2分)

【参加費】
 教室では、毎回、会場費として100円を集めています。ご協力をお願いいたします。事前に参加申請する必要はありません。直接、会場へお越し下さい。

【懇親会のご案内】
 毎回、教室終了後、懇親会を開いています。手弁当でご報告いただく報告者へのささやかなお礼の意味を持っています。教室では聞けなかった話や質問などの機会でもあります。この懇親会にも、ご参加くださいますようお願いいたします。


フェイスブックのページは、東京の会に関心のある方ならどなたでも参加できます。

東京の会グループ
http://www.facebook.com/groups/286378468091266/

 

 

新風俗学教室(第17期第6回)開催のお知らせ 2007/07/16
 次回新風俗学教室は、伝説のレコードマニア雑誌『レコードマップ』の編集者で、編集工房球の代表を務められている針谷順子さんの発表です。

【テーマ】
  レコードコレクションという欲望
  --『レコードマップ』28年の編集経験から
【報告者】針谷順子(編集工房 球)
【司会】中江桂子
【コーディネイター】加藤裕康


【報告要旨】
 話はいささか古くなるが、私が現代風俗研究会に入ろうと思ったきっかけは、「中央公論」に山本明氏が、現風研の例会で「コレクションの生態学」という話をされたと知ったからだ。1976年、まだ「オタク」という言葉もなかった頃だ。編集者として早速山本氏に手紙を書き、本にまとめてくださいとお願いした。ところが、「本にするには何年かかるやろな」とまだ、構想がまとまっていないご様子だった。「コレクション」「コレクター」ということに関心を持ち、1986年に『レコードマップ』という音楽コレクターのための書籍を創刊して、もう28年続けている。40年近く前に山本氏のために企画した本の一端が、何か明らかになったかもしれない。28年の編集経験の中で、考えたことを報告したい。


【日時】 2014年11月22日(土曜日)午後3時~6時
【会場】成蹊大学(新)サテライトオフィス(国際ビルに移転しました。ご注意ください)
http://office.mec.co.jp/lineup/bldg_detail?bd=525
【場所】東京都千代田区丸の内3-3-1 国際ビル1階
【最寄り駅】JR東京駅丸の内口(徒歩約5分)、同有楽町駅北口(徒歩約3分)、
東京メトロ丸の内線東京駅(徒歩約5分)、同有楽町線有楽町駅A1番出口(徒歩約1分)、同千代田線二重橋駅1番出口(徒歩約1分)、同日比谷線日比谷駅A3番出口(徒歩約2分)
【参加費】
 教室では、毎回、会場費として100円を集めています。ご協力をお願いいたします。事前に参加申請する必要はありません。直接、会場へお越し下さい。
【懇親会のご案内】
 毎回、教室終了後、懇親会を開いています。手弁当でご報告いただく報告者へのささやかなお礼の意味を持っています。教室では聞けなかった話や質問などの機会でもあります。この懇親会にも、ご参加くださいますようお願いいたします。

フェイスブックのページは、東京の会に関心のある方ならどなたでも参加できます。
東京の会グループ http://www.facebook.com/groups/286378468091266/

 

 

新風俗学教室(第17期第5回)開催のお知らせ 2007/07/16
【日時】2014年9月6日(土曜日)午後2時~5時

【テーマ】オーディオ趣味のエスノグラフィー ――音楽と機械をめぐるコミュニケーション空間の現在

【報告者】溝尻真也(目白大学)

【司会】加藤裕康

【コーディネイター】神野由紀


【報告要旨】
 蓄音機からiPodに至るまで、オーディオ機器は音楽聴取のために欠かせないツールである。しかし一方で、オーディオは常にそれ自体が趣味の対象でもあった。音楽を聴くためにオーディオを利用するのではなく、オーディオという機械技術そのものと戯れる趣味の有様は、日本に蓄音機がやってきた頃から存在している、きわめて古い趣味の一形態である。オーディオ趣味は、ラジオ聴取やアマチュア無線といった趣味との連続性も保持しながら、1970年代を中心に大きな盛り上がりを見せた。

 1980年代以降、機械技術を愛好する趣味はその主軸をコンピュータへと移していくことになる。しかし現在でも、単なる懐古趣味にはとどまらない形でオーディオ趣味を楽しむ人びとは存在しており、webを介したネットワークを形成しながら活発な活動を展開している。デジタル技術が一般化し、手のひらサイズの機器に数千曲もの楽曲を保存して高音質な音楽を楽しむことができるようになった現在、敢えて大型のオーディオ機器と戯れる彼らは、オーディオや音楽をいかなるものとして捉えているのだろうか。

 本報告では、複数のオーディオサークルでの参与観察を事例に、主に団塊世代の男性技術者たちを中心とするサークル参加者が、現在どのような形で音楽や機械技術と接しているか述べる。そして、現代社会におけるこうしたオーディオ趣味の有様はいったい何を含意しているのか、フロアを交えて議論を行いたい。


【会場】関東学院大学 関内メディアセンター(8階)M-805号室
※当日はビルの正面入り口が閉まっています。夜間通用口をご利用ください。
http://univ.kanto-gakuin.ac.jp/modules/media7/

【最寄り駅】
みなとみらい線日本大通り駅1番出口より徒歩5分
みなとみらい線馬車道駅5番出口より徒歩5分
JR関内駅北口より徒歩5分
地下鉄関内駅1番出口より徒歩5分

【参加費】
 教室では、毎回、会場費として100円を集めています。ご協力をお願いいたします。事前に参加申請する必要はありません。直接、会場へお越し下さい。

【懇親会のご案内】
 毎回、教室終了後、懇親会を開いています。手弁当でご報告いただく報告者へのささやかなお礼の意味を持っています。教室では聞けなかった話や質問などの機会でもあります。この懇親会にも、ご参加くださいますようお願いいたします。

 

 

新風俗学教室(第17期第4回)開催のお知らせ 2007/07/16
【日時】2014年6月7日(土曜日)午後3時~6時

【会場】成蹊大学丸の内サテライトオフィス

【テーマ】アイドル学事始め

【報告者】稲増龍夫

【司会】神野由紀

【コーディネイター】中江桂子


【報告要旨】
 1983年の日本社会学会で「松田聖子はメディアである」という発表をして以来、ポストモダンという言葉を使わないポストモダン文化論としてアイドルを研究対象としてきた。

 今は、AKB48という表文化のメガヒット現象から、ご当地アイドル、地下アイドル、ボーカロイドに至るまで多岐にわたるアイドル現象が同時多発的に展開されている。

 この30年間のアイドル現象を概括しつつ、アイドルを研究することの意味について報告する。


【参加費】
 教室では、毎回、会場費として100円を集めています。ご協力をお願いいたします。

【懇親会のご案内】
 毎回、教室終了後、懇親会を開いています。手弁当でご報告いただく報告者へのささやかなお礼の意味を持っています。教室では聞けなかった話や質問などの機会でもあります。この懇親会にも、ご参加くださいますようお願いいたします。

【場所】
千代田区丸の内3-2-3 富士ビル4階(丸の内仲通りに面する)412室

【最寄り駅】
JR東京駅丸の内口(徒歩約5分)、同有楽町駅北口(徒歩約3分)
東京メトロ丸の内線東京駅(徒歩約5分)、同有楽町線有楽町駅A1番出口(徒歩約1分)、同千代田線二重橋駅1番出口(徒歩約1分)、同日比谷線日比谷駅A3番出口(徒歩約2分)

 

 

新風俗学教室(第17期第3回)開催のお知らせ 2007/07/16
『めぐりあうものたちの群像: 戦後日本の米軍基地と音楽1945-1958』(大月書店)で第35回サントリー学芸賞〈社会・風俗部門〉を受賞された青木深さんのご報告です。


【テーマ】戦後日本のアメリカス――米軍基地における音楽と人の交錯1945-1958

【日時】4月26日(土)午後3時~6時

【報告者】青木深(一橋大学)

【司会】中江桂子

【コーディネイター】加藤裕康


【報告要旨】
 1945年8月末から1950年代後半にかけて、短期滞在者を含めれば数百万規模の米軍将兵が来日した。滞日中の彼らは、軍事訓練や組織維持業務のほか余暇時間も過ごし、基地や接収建物に米軍が設置したクラブや劇場、基地周辺で営業したキャバレーやバーなども訪れた。そうした建物ではおもに日本人の楽団が生演奏を供した。従来、このいわゆる「進駐軍クラブ」の音楽はジャズと強く結び付けられ、「進駐軍時代」は、1920年代から続く日本のジャズ受容史において決定的な局面とされてきた。これは妥当な認識だが、本報告ではむしろ、ジャズ受容史という大きな物語では見えてこない、さまざまな音楽と人の交錯を明らかにする。今回は「東京の会」であることを鑑みて、戦後は全国に米軍基地が散在した事実を重視しつつも、とくに関東の米軍基地とその周辺に着目していく。

 来日した米軍将兵は、日本人楽団の演奏のなかで踊ったり飲食したりしただけでなく、自分たち自身でも演奏や歌唱をおこない、来日した米軍慰問団を観に行き、あるいは「日本的」な音楽や芸能に遭遇することもあった。また、ヨーロッパ、ラテンアメリカ、アジアからの移民一世や二世をも含む米軍将兵たちは、当時の米国で演奏された多様な音楽を日本でも味わった――ヨーデルやフィドルを駆使したカントリー&ウエスタン、ギターで弾き語られるメキシコの歌、キリスト教やユダヤ教の礼拝で歌われる聖歌、黒人兵たちのリズム&ブルースあるいはスピリチュアルズ、ほか。そうした音楽の現場に日本人が深く関わっていたケースもあるが、日本人との接点をもたないまま演奏されていたものも少なくない。今回の報告では、戦後日本文化におけるアメリカ音楽の「受容」や「影響」という意味を読み込みがたい「些細な」点も含め、断片的な記録や記憶を現代の地図に重ね合わせながら、戦後日本を去来したアメリカスの人と音楽を浮き上がらせたい。


【会場】成蹊大学 8号館405教室(予定)
 ※今回は丸の内のサテライトではありません。ご注意ください。

【参加費】
 教室では、毎回、会場費として100円を集めています。ご協力をお願いいたします。事前に参加申請する必要はありません。直接、会場へお越し下さい。

【懇親会のご案内】
 毎回、教室終了後、懇親会を開いています。手弁当でご報告いただく報告者へのささやかなお礼の意味を持っています。教室では聞けなかった話や質問などの機会でもあります。この懇親会にも、ご参加くださいますようお願いいたします。

【最寄り駅】
・吉祥寺駅 JR中央線・総武線(東京メトロ東西線)・京王井の頭線
吉祥寺駅北口バスのりば1・2番より 関東バスで約5分/成蹊学園前下車
吉祥寺駅より徒歩約15分
・西武新宿線 西武柳沢駅
西武柳沢駅南口より関東バス(吉祥寺駅 行き)で約20分/成蹊学園前下車

 


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