| 第12期「身体の風俗」第2回 | 2007/07/16 |
報告テーマ
『肉体のメロドラマとしてのプロレス
─あるいは日本のプロレス受容について─』
報告者 岡村正史さん(プロレス文化研究会代表
兵庫県立須磨東高等学校)
日時 2004年6月26日(土)午後3~6時
会場 日本女子大学目白キャンパス百年館3階302会議室
・ご報告要旨
プロレスは1910~20年代にリアルファイトであることを放棄したことによって誕生した。リアルファイトとしての格闘技術の追求から自由になったプロレスは肉体を駆使した「ドラマ」と化すことができた。しかし、リアルファイトの放棄はけっして「公言」されることはなく、スポーツに分類していいのかよくわからないあいまいなジャンルとしてプロレスは長く生き延びてきた。
1950年代に力道山がプロレスを日本に本格的に輸入した際、プロレスはおおむね「スポーツ」として紹介されたが程なく活字メディアを中心にプロレスはスポーツなのか「ショー」なのかという議論が巻き起こる。
70年代以降は「格闘技」という言葉も付け加わり、今日のK-1、PRIDEをはじめとする「格闘技ブーム」のなかでプロレスは埋没がちになりながら一部のレスラーは「格闘技」の試合にも参加して、相変わらずジャンルのあいまいさを保っている。本来的に肉体のドラマであるはずのプロレスは「スポーツ」や「格闘技」の呪縛と戦いながら、元来の魅力を一般的価値にまで高めることなく、今や娯楽としての地位にも危機を覚えるような状況である。
本発表では、日本のプロレス受容期である力道山時代の新聞、雑誌の分析を中心に、なぜプロレスは肉体のドラマとしての本来の魅力を発揮しきれずにきたのかを考
えてみたいと思います。
| 第12期「身体の風俗」第3回 | 2007/07/16 |
報告テーマ
『「スポーツする身体」と「生活する身体」との邂逅
―アントラーズとW杯がやってきた集落の事例から』
報告者 橋本政晴さん(日本女子大学)
日時 2004年7月24日(土)午後3~6時
会場 日本女子大学目白キャンパス百年館3階301会議室
・ご報告要旨
その独自の思想の形成過程において「『下』へと向かおうとする姿勢」(原田達『鶴見俊輔と希望の社会学』)を貫いてきた鶴見は、日本における土地の風俗の軽さを批判しつつ、「それぞれの土地で、中央の権力にひきずりまわされずに自主性」をもって生きてきた地域の風俗を「生きてゆく風俗」(鶴見俊輔「その土地の風俗」『現代風俗’81』)と呼んだ。
1994年にアントラーズが結成され、2002年にはW杯が開催された茨城県鹿嶋市。鹿島コンビナート開発の延長線に位置する、こうしたプロスポーツチームの活動やス
ポーツイベントの開催は、地域住民たちに「スポーツする身体」へと対応を迫る。それでは、かれらが育んできた「生活する身体」はこうした動きに対してどのように反応したのだろうか。「スポーツする身体」と「生活する身体」とがどのように出会い、絡み合っているのかについて、ある集落の事例をもとにして考えてみたい。
| 第12期「身体の風俗」第4回 | 2007/07/16 |
報告テーマ
『シャイマン・シンドローム―シャイマンの心と身体(仮)』
報告者 あわやのぶこ (異文化ジャーナリスト)
日時 2004年11月6日(土)午後3~6時
会場 日本女子大学目白キャンパス百年館
・ご報告要旨
10年前、恋愛や男女関係にシャイな男たちを研究した「シャイマン・シンドローム」を日本に紹介し、恋愛シャイマンという言葉が定着し、男性リブの活動家たちによる恋愛シャイマンのグループもできた。
シャイマンとは何か。研究はどう行われたのか。アメリカのシャイマンと日本の彼ら。
少子化、非婚が話題となっているこの時期に、日本のシャイな男たちの現状と意味を考える。
| 第12期「身体の風俗」第5回 | 2007/07/16 |
報告テーマ
『近代日本の教育における身体』
報告者 齋藤智哉さん(東京大学大学院教育学研究科)
日時 2004年12月25日(土)午後3~6時
会場 日本女子大学目白キャンパス百年館3階301会議室
・ご報告要旨
岡田虎二郎の岡田式静坐法を同時代の文脈に置いて検討した後、芦田恵之助という教師にどのように受け継がれ,実践に活かされたのかを丁寧に追っていきます。
芦田恵之助研究は,教育学ではある程度の蓄積がありますが,岡田は名前ばかりが良く知られているだけで,その実態が、研究の俎上に乗り切っているわけではありません。
そこで、岡田虎二郎を中心に扱っていく予定です。
| 第13期「東京の風俗」第1回 | 2007/07/16 |
報告テーマ
「都市(東京)における『男色』エリアの変遷
-盛り場の片隅で-」
報告者 三橋順子(お茶の水女子大学非常勤講師
国際日本文化研究センター共同研究員)
日時 2005年5月21日(土)午後3~6時
会場 日本女子大学目白キャンパス百年館3階(教室未定)
<報告概要>
江戸・東京において「男色文化」(男性同性愛、もしくは女装者の文化)が、どのような地域で、ひそやかな花を開き、時代とともに地理的に変遷して、現在に至ったのかを、少ない資料から、可能な限り浮かび上がらせようと思います。
そして、それが一般的(ヘテロセクシュアル)な「盛り場」と、どのように重なり関係するのかも考えてみたいと思います。
<関連文献>
・三橋順子「現代日本のトランスジェンダー世界 -東京新宿の女装コミュニティを中心に-」(『中央大学社会科学研究所年報』7号 2003年6月 中央大学)
・井上章一&関西性欲研究会『性の用語集』(2004年12月 講談社現代新書)所収、三橋執筆担当項目「おかま」「女装」「ニューハーフ」「Mr.レディ、Missダンディ」「ゲイボーイ・シスターボーイ・ブルーボーイ」「レンコン」
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