2013年9月例会案内 2007/07/16
日時:9月7日(土)

場所:徳正寺さん

報告者:内田忠賢さん(奈良女子大学)

タイトル:「街の衰え-衰退都市の誘惑」



 自分が中年になってくると、若い男より中年男のほうが魅力的だと強がってみたくなる。年季が入った物腰の柔らかさや落ち着きをアピールしたくなる。全身から発する加齢臭、いや哀愁もウリにしたいと内心では考えてしまう。愚かな考えとはいえ、反面、いいアイデアだとも思う。

 街も同じだ。元気一杯の街、生まれたばかりの街には、深みがない。盛衰を経験し、酸いも甘いも噛み分けた街こそ、魅力的である。古都や城下町の旧市街だけではない。廃鉱となった炭鉱町や鉱山街、元・軍隊の町……特に、栄光の時代もあったであろう廃れきった盛り場など、哀愁むんむん、とても魅力的だ。居酒屋放浪記ならずとも、一人しみじみ歩いてみたくなる。今回は、地理学者の私が、僭越ながら、廃れ街の魅力について、思う存分語ってみたい。乞ご期待。

 

 

2013年7月例会案内 2007/07/16
日時:7月20日(土)

場所:徳正寺さん

報告者:佐々木唯さん(日本工業大学特別研究員)

タイトル:「和風のすまい-再生への遠い道」


 イグサの産地・熊本では、和室で続き間のある住宅が「すまい」の常識でした。日本の素晴らしい伝統や歴史と分かっていても、非日常の暮らしや住まいとなりつつある和風の住宅。

 物は試しに、京都や奈良の町家物件を探して住んでみようと考えたのです。レトロな長屋、町家、古民家、廃屋を内覧して、改修計画をたてたり、大工さんと相談したり、契約の一歩手前に至りつつ、越えられない壁に阻まれました。その壁を検証すれば、和風のすまいをめぐる謎、再生への遠い道筋が読み解けるかもしれません。

 

 

2013年6月例会案内 2007/07/16
(今回の例会は、通常どおりの土曜開催です)

日時:6月1日(土)

場所:徳正寺さん

報告者:阪本博志さん(宮崎公立大学)

タイトル:「晩年の大宅壮一-その猥談に着眼して」


 現代風俗研究会会員諸氏のなかには、東京都世田谷区の大宅壮一文庫を利用しているかたも多いことと思います。今回は、この大宅壮一(1900年9月13日~1970年11月22日)をとりあげ、年間テーマのひとつが「おとろえること」であることから、その晩年を中心に見ていきたいと思います。

 大宅壮一が亡くなったことを報じる1970年11月23日『朝日新聞』の「天声人語」は、次のように閉じられています。「なくなる前「ピンク映画をみたい」と見舞客にいったそうだ。いかにも大宅さんらしい。おしまいまで腕白坊主だった」。

 今日大宅壮一といえば、大宅文庫のほか、大宅壮一ノンフィクション賞、そして彼が作った数々の言葉が思い出されます。それらに加え、上記「天声人語」の「大宅さんらしい」という言葉からもうかがえるように、大宅壮一が猥談好きであったことは同時代に広く知られていたのではないかと考えられます。今回は、「マスコミの帝王」などと言われた大宅壮一の生涯とくに晩年を、この「猥談」という観点から見つめ直したいと思います。

 

 

2013年3月例会案内 2007/07/16
(今回は日曜日です。お間違えの無いようご注意ください)

日時:3月31日(日)

場所:徳正寺さん

報告者:疋田正博さん
(株式会社シー・ディー・アイ代表取締役)

タイトル:「うーん!その宿題、難しい」


 予備校の宣伝に似せて言うなら「なんで私が報告者に?」。例会出席率の悪い睡眠会員を覚醒させるためか、それとも「おとろえ・おちぶれて」いる本人にその気分をしゃべらそうという意地悪な魂胆かと僻んでいたが、井上章一氏の基調報告は流石。

 見慣れないものが出現すれば、誰でも興味を持つ。馬鹿でもその解釈を試みる。しかし、見慣れたものがいつのまにか「おとろえ・おちぶれて」いることにはひとはなかなか気づかない。そういう事例を見つけて共通性や法則を見出そうという研究こそ現風研の使命、存在意義ではないかと。以来私は毎晩井上氏の宮型霊柩車に匹敵するものを思いつかなくてはと、不眠症に。期待には応えられそうもない。

 

 

2013年1月例会案内 2007/07/16
日時:2月2日(土) 午後2時~5時
報告者:井上章一さん
場所:徳正寺さん(Google Map:http://p.tl/zUMk

テーマ:「おとろえること、おちぶれること、
     あるいはちょっときどってデカダンス」


 風俗は、どんなものであっても、衰退へとむかう時がきます。定点観測をつづけることができなくなる時期を、いやおうなくむかえてしまうのです。そんな衰亡の諸相を、さまざまな風俗現象のおとろえへ目をそそぐことで、比較してみたい。あわよくば、絶滅へとむかう力学の一般化はできないか。そんな野心をいだきました。現風研の衰亡期にふさわしい研究だと、うぬぼれてもいるのですが、どうでしょう。

 


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