2009年第2回例会案内 2007/07/16
第2回例会テーマ:スポーツ、コスチューム、エロティシズム
年間テーマ「プロレスが残した風俗―世間にリングを、マットに社会を」


・日時:2009年3月21日(土)14時~17時

・報告:小野原教子さん(詩人。兵庫県立大学准教授)、井上章一さん(アダルト・ピアニスト。国際日本文化研究センター教授)  

・場所:キャンパスプラザ京都6階 サテライト講習室 
http://www.consortium.or.jp/contents_detail.php?co=cat&frmId=585&frmCd=14-3-0-0-0


 詩人の魂とアダルト・ピアニストの夢が交錯するとき、そこには何が生まれるのでしょうか。

 今回は、女子プロレスラーのコスチュームの話に始まり、露出度の高い女子スポーツ、フィギュア・スケート、体操、ビーチ・バレーなどに見る「エロ力(ぢから)」の可能性に言及しつつ、スポーツとエロティシズムの関係について考察いたします。

 体育会系的禁欲主義にもかかわらず、身体表現に慣れたスポーツ選手はセックスとの親和性が高いのか、男性が女性スポーツ選手を見る眼と、女性が男性スポーツ選手を見る眼はどうちがうのか、などスポーツとエロティシズムをめぐっては疑問が尽きません。そこで、ふたりのアーティストに語ってもらうことにしました。

 小野原教子さんはこのたび詩集『刺繍の呼吸』(深夜叢書社)を上梓されました。『力道山と日本人』(青弓社)では力道山の黒いタイツについて考察し、『プロレスファンという装置』(青弓社)ではコスプレ・レスラー広田さくらを論じたほどの衣装論のプロフェッショナルでもあります。意匠論を専門とする井上章一さんは日ごとにアダルト・ピアニスト色を強めているようです。美女に囲まれてのMisty弾きなど新境地を開拓し、エロティシズム追求に余念がありません。スポーツに見るエロティシズムということで、「イパネマの娘」が飛び出すのか、はたまた「レディバード」なのか。

 詩人とアダルト・ピアニストのコラボレーションに時の過ぎゆくままに身も心も預け、エロチックな見果てぬ夢に想いを馳せてみませんか。

(文責・岡村正史)

 

 

2009年1月例会案内 2007/07/16
第1回例会テーマ:スポーツ選手の入場曲および異名

・日時:2009年1月24日(土)14時~17時

・報告:永岡正直さん(タワーレコード店舗運営本部 SC 店舗統括部スーパーバイザー)

・テーマ「プロレスラーの入場曲・異名に観る世間への爪痕」

・セコンド
 井上章一さん(国際日本文化研究センター教授。アダルト・ピアニスト)

・場所:徳正寺さん
 http://www.genpoo.org/images/map.JPG

 12月の総会は、バルトをめぐるバトルが勃発したり、テーマそのものに違和感を表明する人がいたりと、波乱含みのスタートとなりました。これもテーマが「プロレス関連」だからでしょうか。レスラーに非業の死を遂げる人が少なくないのは、単に肉体的な問題だけではなく、「プロレス」というジャンルを背負っているゆえの宿命と思っていますが、願わくば、現風研の1年が平穏に終わりますように。

 さて、例会の第一弾はレコード業界(この言いかたでいいのかな?)のプロによる音楽談義です。メキシコの人気覆面レスラーで70年代に一世を風靡したミル・マスカラスの入場時に「スカイハイ」という曲が流れ、人気を呼びました。これぞまさに「プロレスが残した風俗」。「スカイハイ」を嚆矢として、スポーツ選手の入場時に音楽が流れる現象が一般的になっていきました。記憶に新しいところでは、清原和博が引退した折に長渕剛が「とんぼ」を生演奏していましたよね。

 永岡さんには豊富な音源を駆使して、レコード業界から見た音楽に見る時代相の変遷、音楽がスポーツに与えるイメージ、スポーツをやる側と観る側の距離感、などを語ってもらいます。

 また、人間発電所、黒い魔神、銀髪鬼、鉄人、荒法師などプロレス界は異名天国でしたが、いつの間にかスポーツ界全般も異名がまかり通る趨勢ですね。この現象も「プロレスが残した風俗」ではないかという仮説についても永岡さんに触れてもらいます。

 セコンド役は、5日後に京都の大人の夜をピアノでいろどるであろう井上章一さんです。入場曲をめぐる極上のセッションが体験できることでしょう。乞ご期待。(岡村正史)

 

 

2008年度総会報告 2007/07/16
 2008年12月6日、京都精華大にて現代風俗研究会総会が開催されました。総会では、2009年度のテーマを「プロレスが残した風俗-世間にリングを、マットに社会を-(仮)」とし、岡村正史さんにより「力道山-プロレスと世間がリンクしていた時代-から始めよう!」と題した基調報告が行われました。

 報告では、岡村さんの著作『ミネルヴァ日本評伝選 力道山』での研究成果を元に、プロレスと社会との関係について、力道山を手がかりに明らかにしていきました。岡村さんは、自著について「一般的なプロレスというものを目指して書いた」と述べます。既存の力道山を扱った書籍では、力道山の人間像、内幕、出自などについて書いたものがほとんどで、プロレスをきちんと描いていなかった点を指摘しました。

 その上で、力道山の時代において、「世間はプロレスそのものに対し本当に魅力を感じていたのか?」という疑問を呈しました。そこで報告(および著作)では、力道山が、メディアを通してどのように報じられ、人々に受容されたのかについて資料をもとに考察を進め、日本におけるプロレス黎明期を描き出しました。

 そこで明らかになったのは、力道山が「敗戦コンプレックス」や「反米」の文脈で人気を博したという一面も否定できないものの、伝える側のマスコミはプロレスをショーとして扱った一方で、社会的には「ショー的要素の強いスポーツ」として受容されていたということでした。

 その後、力道山以後のプロレスの変化が紹介されました。力道山以後のプロレスは、高い人気を維持しつつも、街頭テレビの時代ほど熱狂している人はいないという情況になります。その人気も衰退していき、1988年には、プロレス中継がゴールデンタイムから転落し、プロレス団体の多団体化とともに表現の多様化が進みます。今日では、プロレスというジャンルが凋落した一方で、プロレスから派生した「格闘技」が人気を博しています。

 しかし、プロレスというジャンルそのものが完全に消えたわけではありません。「タッグ」「デスマッチ」といったプロレス用語や、入場曲やコスチュームなどの演出のように、他のジャンルで、プロレスは今もしぶとく生き残り、影響を及ぼし続けています。そこで2009年の現風研では、プロレスそのものではなく、プロレスが現代においてどのように生き残っているのかをテーマとすることになりました。

 報告や質疑応答の中で、「チョップはダメージよりも音が重要」「プロレスは約束事で成り立っている」「プロレスでは、相手が得意とするところは譲ってあげるものだ」といった話が出ました。世間では相撲の「八百長問題」が取りざたされていますが、プロレスはそういう世界であるとお見知り置きください。

 また、ある程度プロレスの「仕組み」を理解しているファンたちは、様々なシナリオが存在するという前提でプロレスを見ています。テレビやメディアで報じられたプロレスの試合結果、選手間の遺恨、派閥抗争などを、そのまま鵜呑みにするファンは、極めて少ないと思われます。優れたメディアリテラシーを有するとも言えますが、基本的にひねくれた人種の集まりです。質疑応答では、このような「プロレス的な物の見方を生かせないか」という意見が出されましたが、それに対し「裏読みばかりで物事を解釈するのは面白くない」という批判もされました。

 このテーマに何人が付いて来られるか心配だったのですが、基調報告では、プロレスに詳しく無い方々でも楽しめたそうです。プロレスに詳しい方も、よくわからない方も、1年間、ぜひご参加ください。(相原すすむ)

 

 

2008年度総会開催のお知らせ 2007/07/16
社団法人現代風俗研究会の総会を以下の要領で開催します。年末のお忙しい時期だと存じますが、ぜひご出席願います。


 日時  12月6日(土)
 場所  京都精華大学 黎明館 L-103

※会場へのアクセス
 http://www.kyoto-seika.ac.jp/access/index.html

※今までの会議室は別の学会が使用しますので、会場をお間違えないようお気をつけください。



■主な議題(予定)

 (1)平成20年度事業報告及び収支決算についての事項
 (2)平成21年度事業計画及び収支予算についての事項
 (3)「橋本峰雄賞」発表・贈呈式
 (4)その他



■プログラム

 13:30~  受付開始
 14:00~15:00  総会・選挙
 15:00~17:00  年間テーマ基調報告(約1時間)
 17:30~ 懇親会



■年間テーマ基調報告

 2009年度年間テーマ「プロレスが残した風俗」(仮)  
 「力道山―プロレスと世間がリンクしていた時代―から始めよう!」
 講演:岡村正史(岡田正)


 プロレスはいまやジャンルとしては衰退してしまったと言っていいでしょう。テレビのゴールデンタイムからはずれて20年になります。努力をしなければ手軽には見ることができないジャンルになりました。つまり、よほど熱心なマニア層の独占物に近い存在と化したのです。存在と化したのです。プロレスの話題を出すと、ファンは熱いトークを展開するものの、そうでない人はシラケる。そんな状態になってしまいました。つまり、一般的話題になりにくいジャンルであり、現代風俗研究会でも取り上げられることはけっして多くなかったと思います。

 プロレスそのものは衰えたけれど、力道山がこのジャンルを日本に定着させてから50数年が経過しています。プロレスが日本社会に与えた影響って皆無なのでしょうか。

 たとえば、タッグ、デスマッチ、場外乱闘、ヒールといった言葉はすっかり一般化しています。「ドロップキック」と聞いて、あなたはプロレスとラグビーのどちらを連想しますか。広辞苑にはラグビー用語としてしか載っていませんが、プロレスの技を連想する人の方が多いのではないでしょうか。永田町の政治の駆け引きって何かプロレスに似ていると思いませんか。そう言えば、レスラー出身の国会議員って多いと思いませんか。覆面をつけたまま県会議員をやった人すらいましたよね。あるいは、スポーツ選手が入場曲に合わせて登場する光景は当たり前になりましたが、これってプロレスが先鞭をつけたのです。

 年間テーマを「プロレスが残した風俗」(仮)としましたが、プロレスを真正面から取り上げるのではなく、むしろプロレスから派生したもの、あるいは世間をプロレス的に見たらどのように語れるのか、などを追求したいと思っています。ひょっとすると、まったく新しい角度から日本の風俗を見る眼が得られるかもしれません。

 プロレス好きも、プロレス嫌いもご参集ください。
 12月6日は、とりあえず力道山の話から始めることにしましょう。

 

 

第5回例会「お祭り観光」 2007/07/16
 かつて、柳田國男は、神様を祭ること(祭祀)が、庶民の祭り(祭礼)に成長する際、見物人の存在が重要だと説いた。そして祭礼の醍醐味は、神事ではなく、人々に見せるための風流(ふりゅう、付け祭り)だと言った。そんな、大御所の蘊蓄など、どうでも良い。多くの祭りやイベントは、やって楽しい、見て楽しい。神様が登場しない現代の祭りだって、十分、楽しい。

 夏から秋に開催される、国内の観光ツアーに、お祭り見物(一部、体験を含む)が組み込まれている。お祭りを梯子するツアーも多い。イベント化した大規模な祭りの日程は、開催地が近い場合、上手い具合に、微妙にズレながら連続する。東北三大(四大)祭、四国の祭り…。お祭りを観光の目玉にする取り組みには、地元の人々だけでなく、観光庁を新設する政府や各自治体も熱心である。

 今回は、現代のお祭り事情に詳しい文化人類学者が、話題を提供して下さいます。例会を「お祭り」の雰囲気にすべく、皆様、お召し物ほか一工夫してお運び下さい(文責 内田忠賢)。


 日時  2008年9月13日(土)14~17時

 報告 ; 阿南透さん(江戸川大学・教授)
 コメント : 濱千代早由美さん(皇學館大学・講師)
 関連本紹介 : 塩島あゆ子さん(奈良女子大・学生)

 場所 : ウイングス京都 ビデオシアター
      http://www.wings-kyoto.jp/01wings/03access.html


 ※いつもと開催場所が異なります。ご注意下さい。

 


■過去ログ

 

 

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